あいさつ
神奈川県教育委員会教育長 花田 忠雄
今年も「神奈川県高等学校総合体育大会」が、県内各地で開催されることを心よりお祝い申し上げます。選手の皆さんは、これまでの練習の成果を存分に発揮し、悔いの残らないよう全力でプレーしてください。本大会を勝ち抜いた選手の皆さんは、高校生スポーツ最大の舞台である、全国高校総体に出場することになります。今年度は、「駆け上がれ夢の舞台へ燃え上れ若人の魂」をスローガンに、「ありがとうを強さに変えて北部九州総体 2024」の愛称で、北九州ブロックを舞台に開催されます。代表となる皆さんの全国大会での活躍にも大いに期待しています。
さて、今年はフランスのパリで「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催されます。世界中のアスリートたちが、鍛え抜かれた体で、最高のパフォーマンスを発揮し、私たちに勇気と感動を与え、スポーツの素晴らしさを伝えてくれることでしょう。
スポーツは勝ち負けがすべてではありません。皆さんが、チームで一つの目標に向かって取り組んだ経験から、自主性や責任感などが養われ、豊かな人間関係が築かれたと思います。この貴重な経験を糧に、これからも皆さんの更なる成長を期待しています。
結びに、保護者の皆様をはじめ、顧問の先生や指導者の方々、また、大会の開催に御尽力いただいたすべての関係者の皆様に心から感謝申し上げ、私からの挨拶といたします。
皆さんの御活躍を、心から願っています。頑張ってください。
神奈川県高等学校体育連盟会長 坂本 聡志
令和6年度第62回神奈川県高等学校総合体育大会兼令和6年度全国高等学校総合体育大会神奈川県予選会開会式は、令和3年度からに引き続き「県高等学校総合体育大会総合開会式特設サイト」を開設し、Web上での開催となりました。コロナ禍を経て、変わったものとそうでないものがありますが、総合開会式は、多くの方々のご意見を参考にし、様々な視点で検討した結果、今回もWeb開催にすることとしました。
総合開会式はWeb上でも、実際の大会は、選手と選手が直接顔を合わせ、熱い戦いが繰り広げられることは必至で、日頃の皆さんがひたむきに努力している成果を思う存分に発揮してくれるものと期待しています。
今年1月、大阪国際女子マラソンで前田穂南選手が、19年ぶりに日本記録を更新しました。3年前の東京五輪で33位に終わった前田選手は、さらなる成長を目指して、目標を「日本新記録」に設定し、練習を重ねてきました。当時の前田選手の自己ベストは、日本記録から4分以上の差があり、一見すると高過ぎる目標ですが、そこにこだわり続けたことが、今回の結果に繋がったのだと思います。前田選手はレース後に「なかなか走れなくて辛い時期もあったが、続けてきたことが結果に繋がってよかった」と充実した表情で振り返っていました。
大会に選手として参加する高校生の皆さんは、それぞれ自分なりの目標を掲げ、大会に臨んでいると思います。全国大会優勝を目標にしている人、地区予選会突破を目標にしている人、自己ベストを目標にしている人。大切なことは、自分で立てた目標に真摯に向き合い、それに向けた努力を続けることです。前田選手のように日本記録に向かって質の高い練習を続けることで結果に結びつく人もいれば、そうでない人もいるはずです。しかし、結果に結びつかなくても努力は決して無駄にはなりません。何年後かにその成果が、別の形で現れるかもしれません。
最後まで自分の可能性を信じ、目標に向かって突き進んでください。そうすれば、きっと誰もが満足した大会になることでしょう。県高体連を代表し、心からのエールを送ります。
今年の全国高等学校総合体育大会は、「ありがとうを強さに変えて 北部九州総体2024」として開催予定となっています。地元の多くの高校生や関係者の方々が、入念な準備を進め、皆さんの活躍を心待ちにしていることと思います。大会を通じて、皆さんが人間的な成長を遂げることを期待しています。
県高体連は、高校生の健全育成を目的に、様々な事業を通じて、心も体も健康で元気な人づくりをめざし、ひいては豊かで明るい高校づくりに貢献して参りたいと考えています。
最後に、日頃から高校生の体育・スポーツの振興にご尽力をいただいております、県議会、県教育委員会をはじめ、加盟校の校長先生、顧問の先生、地区高体連、各専門部関係者の皆様に、厚くお礼を申し上げ、開会の挨拶といたします。
各種競技展望
陸上競技
野村 忠信(法政二)
【男子】
トラック競技は400mで昨年全国高校総体第2位の、菊田(法政二)を中心に大会記録での優勝争いが期待できる。400mハードルでは菊田(法政二)、斉藤(東海大相模)、長距離種目では向田(三浦学苑)の記録に期待したい。5000m競歩は及川(県保土ヶ谷)が全国レベルの力をどこまで発揮することができるか楽しみである。リレーでは400mリレー、1600mリレーともに相洋、法政二、東海相模を中心とした展開が予想される。フィールド競技ではU18陸上競技大会で入賞の実績がある走幅跳の上河内(法政二)、三段跳の柳澤(法政二)や新人戦優勝の砲丸投の橋本(武相)、円盤投の中込(法政二)、ハンマー投の野口(小田原城北工)など全国レベルの選手が出場する。また、八種競技では田中(川崎橘)に好記録の期待が持てる。
【女子】
トラック競技は200mは山部、200m、400mは川口など相洋勢を中心に展開されると思われる。1500mと3000mは駅伝で活躍したジェシンタと勝呂の白鵬女勢と田村(法政二)らを中心とした勝負になると予想される。リレーでは400mリレー、1600mリレーともに法政二、東海大相模、相洋の3校でのハイレベルな争いが展開されると予想される。フィールド競技では、走高跳のガードナと中村の法政二コンビ、半田(川崎橘)など実力者がそろう。棒高跳の鶴田(横浜清風)も期待ができる。やり投では昨年のU18陸上競技大会で、全国優勝の実績を持つ、吉田(相模原弥栄)の大会記録更新に期待が持てる。混成では昨年全国高校総体の七種競技で1年生ながら入賞したガードナ(法政二)に県高校記録更新の期待がかかる。学校対校においては、男女ともに相洋、法政二、東海大相模を中心とした優勝争いになるだろう。
水泳
金子 太(県神奈川工(定))
競泳では、学校対抗の男子は、湘南工大附、慶應、日大藤沢、桐光学園の4校が僅差で競り合い、リレー種目においてもこの4校のどこが優勝してもおかしくない。
女子では、昨年度インターハイの連覇を果たしている日大藤沢と湘南工科大附の2校が競り合い、リレー種目においても2校が優勝争いされることが期待できる。男女共に、ここに挙げたチームは神奈川県内だけでなく、関東、インターハイにおいても、十分に入賞できる力を持っている。特に女子学校対抗において日大藤沢は、インターハイで3連覇の可能性が期待される。
男子個人では、最も注目されるのが、2月に行われた世界選手権に選抜された阿部力樹(日大藤沢)の個人メドレーである。また平泳ぎでは、齋藤 龍(慶應)、大幸寛知(慶應)、大川生流(日大藤沢)、バタフライでは山尾利樹人(桐光学園)、自由形では北島拓馬(湘南工大附)、南雲陽人(慶應)、背泳ぎでは添田重樹(逗子開成)、個人メドレーでは阿部力樹のほか、田中 駿(桐光学園)が県総体だけでなく、関東・インターハイにおいても優勝、入賞が期待できる選手である。
女子では、背泳ぎで山本千晶(日大藤沢)、二本木望来(横須賀大津)、バタフライで平井瑞希(日大藤沢)、先川原幸奈(湘南工大附)、菅 心寧(日大藤沢)、平泳ぎで横田心愛(湘南工大附)、石川結菜(日大藤沢)、自由形の短距離では、昨年度全国中学覇者の谷口満理奈(日大藤沢)、中距離では長谷川彩美(湘南工大附)、個人メドレーでは戸津川莉央(日大藤沢)、昨年度全国中学覇者の石川真菜(日大藤沢)が県総体だけでなく関東・インターハイで優勝、入賞が期待できる。
最後に水球においては、昨年度県総体・関東大会で優勝を果たした神奈川工業が新チームとなり、古豪の慶應チームと優勝争いが期待できる。
また、この両チームは、関東大会での活躍が楽しみである。
バレーボール
鈴木 徹(県相原)
令和6年度の総体予選を占う県新人大会が大歓声の応援の中1月27日(日)、2月4日(日)の2日間において開催された。
1代表の男子は、昨年から中心となり活躍するメンバーが4人残り、伝統の堅守から多彩な攻撃で相手の的を絞らせず新人大会を制した市立橘が優勝候補の筆頭である。関原、池田は攻守の要でコンビバレーの中心で池田は、セッターも務める。リベロのキャプテン福本は広い守備範囲、正確なレシーブでチームを支え、市立橘の武器となっている。またMB向はの1年生ながら高さを生かしたクイックと勝負所でのブロックが持ち味である。昨年度の総体、県選手権、新人と制してきた経験が大事なところでの1点の重みにつながっているように感じられる。
それを追うのは新人大会第2位の慶應義塾である。こちらも昨年のメンバーが多く残り大型セッターの松田を中心に1年の江原、佐藤を攻撃の軸にサーブで崩してブロックで勝負を仕掛け、橘の攻撃のバリエーションを削ることができれば勝機は十分にある。
新人戦では準決勝で敗退はしたが春高も経験した東海大相模も上位2校を追いかける。昨年より小さい選手が多いがセッターの平田を中心に昨年からのメンバーの山元が攻守の要となり粘り強いチーム作りをしていけば優勝候補に加わってくるだろう。また、県立舞岡も侮れない。勢いに乗った時は上位3チームからセットを取る実力を持ち合わせており、他のチームよりも身長的には大きく、左の永瀬がエースとツーセッターの一角を担う。向上も小さい選手が多い中、レシーブ力、コンビネーションに磨きをかけることで上位に絡むことは可能である。いずれにせよ春に向け各校の持ち味に磨きをかけたチームに勝機がある。
2代表である女子は昨年度新人戦、関東、総体、春高予選と無敗であった横浜隼人が新人戦準々決勝で敗れる波乱があり、今年度も大混戦が予想される。
その中で新人戦第1位、昨年度のメンバーが多く残り全国総体、春高と出場し経験値も高い市立橘が頭1つリードしている。伝統の堅実なレシーブからキャプテン明石の丁寧なトスをレフト熊田、サウスポー石原が着実にポイントし新人戦を制した。
それを追いかけるのは新人大会第2位の東海大相模である。堅実なレシーブからエース榎本にボールを集めるオーソドックスなバレーボールで勝負する。県新人大会では、本来の力を発揮できずに準優勝に終わったが、巻き返しに期待したい。
上位2校に劣らぬ力を持つ第3位の県大和南も侮れない。エース橋本を中心にこちらも伝統の堅実なレシーブからミスの少ないバレーで勝負する。こちらも昨年度のメンバーが多く残り十分勝機はある。
その他にも新人大会第4位の三浦学苑、第5位の相洋などが虎視眈々と上位を狙っている。いずれにせよ有望な新人の入学や今後の強化により勢力図が大きく変動することになりそうである。
バスケットボール
鈴木 恭平(法政二)
男子においては、昨年度の総体県予選、ウインターカップ県予選、そして令和5年度新人大会を制した桐光学園高校を筆頭に、新人大会決勝に進んだ横浜清風高校、ベスト4に残った法政大学第二高校・東海大学付属相模高校、ベスト8に残った厚木北高校・湘南工科大学附属が上位に食い込むであろう。また、留学生を擁し下級生が中心の星槎国際湘南高校もおり、力は拮抗しているので混戦になるであろう。
女子においては、昨年度のウインターカップ県予選を制し、令和5年度新人大会も優勝した鵠沼高校を筆頭に、決勝に進んだ星槎国際湘南高校、ベスト4に進んだ白鵬女子高校・相模原弥栄高校、ベスト8に進んだ横浜清風高校・松陽高校・法政大学第二高校・三浦学苑高校が上位に食い込むであろう。また、組み合わせによりベスト16以下で敗退した、横浜立野高校や東海大学付属相模高校・旭高校も力があり混戦になるだろう。
ソフトテニス
松口 良也(横浜創英)
男子団体戦は5年ぶりに新人大会優勝の横浜創英と2位東海大相模が実力均衡の戦い。新人大会3位秦野、4位小田原、ベスト8川崎橘、三浦学苑など力がある。また、昨年度インターハイ出場の法政二も虎視眈々と上位を伺う。
男子個人戦は東海大相模と横浜創英が中心。特に東海大相模の髙橋は令和5年度ランキング2位で実力は頭一つ抜けた存在。各校のエースがどう立ち向かうのか。総体では実力を十分に発揮できるかが勝敗の分かれ目になるだろう。
女子団体戦は、新人大会(団体)を優勝した川崎橘と、新人大会(個人)で上位を多く占めた日大藤沢を3位の相洋が追いかける展開。この3強の戦いから目が離せない。昨年度、その3強を崩した秦野総合や上溝南、厚木北といった公立校が勢いをつけ躍進を狙う。
女子個人戦においては、新人大会優勝の相洋の五味・後藤、昨年度、関東高校大会優勝の日大藤沢の岩田・溝井が頭1つ抜け出ている。川崎橘のエース原田・枝川をはじめ、各校のエースがどう立ち向かっていくのかに注目したい。
体操
佐藤 登(県横須賀)
体操競技男子団体総合は、前年の新人大会で個人成績上位を占めた湘南工大附属高校が中心となる。
個人総合では、全国選抜大会出場の曽根(湘南工大附属)が一歩リードしているが、実力僅差の麥田、棚池(湘南工大附属)、伊藤(日大)や本間、池田(藤沢翔陵)らが、どこまで健闘するか楽しみである。
女子団体総合は、昨年度インターハイ8位の白鵬女子高校と星槎国際横浜高校の争いに、湘南工大附属高校が後を追う。個人総合では全国選抜大会出場の紺田(白鵬女子)、権藤(星槎国際横浜)、石川(星槎国際横浜)、岡本(白鵬女子)、田畔(星槎国際湘南)らの実力が拮抗しており、優勝争いは熾烈になりそうである。
新体操男子は光明学園相模原高校1校の出場であるが、個人競技では全国選抜大会出場の岩﨑彪雅(光明学園相模原)に同校の貝瀨、伊藤、岩﨑竜誠がどこまで迫るか。
女子団体競技は、昨年インターハイ出場の横浜隼人高校と森村学園高等部の争いとなるだろう。鎌倉女子大高等部、光明学園相模原高校も上位を狙う。
個人競技では昨年インターハイ4位の田邊(白鵬女子)、工藤(横浜隼人)、麹池(クラーク記念国際)の争いとなるだろう。
バドミントン
中西 淳(県川和)
男子学校対抗は法政二が有力。新人大会でも総合力で優勝している。続くのが、新人大会で2位に入った横浜、ベスト4の相模原弥栄,立花学園であるが、個人戦で結果を残している選手を擁するチームがどこまで食い下がれるかが楽しみである。
女子学校対抗は新人大会で優勝した川崎総合科学が総合力で抜けている。それに続くのが鵠沼、新人大会ベスト4の横浜と法政二ではある。こちらも個人戦で結果を残している選手を擁するチームがどこまで食い下がれるかが楽しみである。
男子単は法政二の田代が一歩リードではあるが,新人戦2位以下の選手も力があり、混戦である。
女子単は法政二の御後が最有力。2位以降も実力伯仲であり、代表決定戦は厳しいものになると予想される。
男子複は法政二の髙橋・田代が一歩リード。新人戦2位以降の組がどこまで迫れるか。
女子複は新人大会同様、川崎総合科学の山田・飯島が最有力候補である。新人戦2位以降の組も実力があるため、熱戦が期待される。
ラグビーフットボール
安庭 正樹(慶應義塾)
令和6年度の県内大会の展望について、昨年度県内大会でその圧倒的な存在感を示したのが桐蔭学園。第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会では3大会ぶり4度目の優勝。
西高東低が叫ばれる高校ラグビーにおいて、東の横綱として君臨する桐蔭学園の存在は県内においても追随を許さない。令和5年度神奈川県高等学校ラグビーフットボール新人大会(以下 新人大会)においても、FW・BKバランスの取れたチームスタイル、容易にゲインラインを突破させないディフェンス力、攻守の切り替えにおいて爆発的な攻撃力を発揮するプレースタイルは健在である。
神奈川県内で2番手に位置するチームが東海大相模。高さとウェイトのあるFWを軸としたチームスタイルは盤石といえる。
この県内二強に続くと目されるチームが、新人大会で3位に入賞した慶應義塾と法政二高の古豪と言われて久しい二校。伝統校としての意地とプライドが上位2校にどこまで通用するか期待される。
これらチームに続くのが、関東学院六浦、湘南工大付属、湘南といったシード常連校に加え、新たにシード校に加わった日大藤沢。新人大会で湘南工大付属に7点差まで詰め寄った山手学院も侮れない。
サッカー
粉川 典史(市サイエンスフロンティア)
昨年度の各県内予選は、会場での試合観戦や応援に制限がなくなり、大会の活気がコロナ禍前に戻った中での開催となった。全国総体男子では代表校の桐光学園が準優勝、日大藤沢が3位、女子は星槎国際湘南が3位と健闘し、県内チームのレベルの高さを示すこととなった。
男子は今年度についても実力の伯仲した、全国レベルの戦いが予想されるが、U18関東プリンスリーグで1部に昇格した桐蔭学園、惜しくも昇格を逃したものの2部に所属する桐光学園の両校が有力。常に全国レベルを日常的に感じながら強化できる環境にあることが強みだ。県リーグ勢筆頭の日大藤沢は、屈指の選手層の厚さを誇り、2年連続で関東、総体、選手権の3大会で県代表の座を全て獲得するなど、短期決戦となるトーナメントで強さを見せる。今年度も以上の3校が主軸となるだろう。それに対抗するのは湘南工科、東海大相模、横浜創英の県1部勢、トーナメントに強い相洋か。県1部に所属する市立橘、昨年度関東予選ベスト4の厚木北、選手権予選ベスト8の座間などの公立勢が打倒私学に挑む。
女子は昨年度の全国総体で3位となった星槎国際湘南が有力。ライバルの湘南学院、力をつけてきた桐蔭学園が追う。公立勢では藤沢清流、相模原弥栄、大和に期待だ。定通は昨年の全国大会でともに3位と健闘した相模向陽館、日々輝学園横浜校が軸。横浜総合を筆頭に、合同チームを含めた全てのチーム、選手に全国大会出場のチャンスはある。
ハンドボール
江成 浩二(県希望ケ丘)
2023年度北海道で開催される全国総体ハンドボール競技、神奈川県予選会は5月中旬より県内高校グラウンドを利用して始まる。男子は法政二が中心となり、女子は混戦模様だ。
男子は新人大会、関東選抜予選でともに優勝した法政二を、横浜創学館、桐光学園、湘南学園、横浜創英が追う展開になりそうだ。法政二は毎年受け継がれる素早く強いディフェンスからボールを奪い得点を重ねる。横浜創学館は気迫を前面に出しゲームに臨む。桐光学園はゴールキーパーを中心とした堅実な守備からリズムをつくる。湘南学園、横浜創英ともに多彩な攻撃からリズムを作る。春にさらに力をつけた上位チームの対戦が楽しみだ。新人戦4位の湘南工大、ベスト8にはいった鎌倉学園、県生田にも注目したい。
女子は新人大会優勝の県横浜平沼、選抜予選優勝の県川和の2チームを中心としての戦いになりそうだ。平沼は多彩なディフェンスで相手を翻弄し、ゲームを組み立てる。川和は高いディフェンスラインと巧みなコンビネーションを駆使して得点する。公式戦での勝敗が五分なだけに次の対戦に注目したい。2校を追うのが、新人大会、選抜予選ともにベスト4に残った、市高津と横浜創英だ。高津のアグレッシブな攻守、横浜創英の展開の早い速攻での攻撃は上位2チームにとっては脅威となる。またベスト4入りは逃しているが荏田も伝統の早いボール回しからの攻撃力は健在で上位進出を狙っている。県湘南台、県生田、県希望ケ丘の活躍にも期待したい。
相撲
清田 英彦(県向の岡工(定))
【団体戦】
県総体団体戦は、今年度も向の岡工業高校と新名学園旭丘高校の争いになるだろう。昨年度、県総体は向の岡工業高校が制したものの、県新人大会では新名学園旭丘高校が制し、県総体はどちらが勝つか非常に楽しみだ。新チームで挑んだ関東選抜大会では両校とも善戦し、個人戦階級別においても優勝、3位を多く輩出し、今年度も大いに期待できるだろう。また、慶應義塾も中学時代優秀な成績を残した選手が在籍し、非常に楽しみだ。どのチームが優勝しても関東、全国では上位に進出する力を持つなど、非常に高いレベルでの県総体になるであろう。
【個人戦】
関東選抜大会重量級優勝の髙原(新名学園旭丘)、3位の吉岡(向の岡工業高校)を筆頭に非常にレベルの高い大会になりそうだ。バトボルド、エルヘムバヤル(新名学園旭丘高校)のモンゴル人留学生、また、関東準優勝の実績を持つ秦(慶應義塾)にも期待がかかる。
卓球
岸 昌宏(横浜隼人)
男子学校対抗は、昨秋の新人戦で優勝した三浦学苑が勝田、古山、大竹、神南を中心に穴のない戦力は他校との差をつけている。一方、昨年度準優勝校である湘南工科大附属は、斎藤、澁谷といったポテンシャルの高い選手で勝負する。
昨年末に行われた関東選抜大会では、接戦をものにして全国選抜大会への切符を手にしているところから、チーム力や粘り強さにも注目したい。この実力のある二校が優勝争いに絡んでくることは間違いない。また,白松や吉元など実力のある選手の活躍が期待できる横浜商業なども十分に戦える位置にいる。その他、綾瀬や桐蔭学園なども上位に食い込んでくる可能性は十分に予想される。個人戦は、全国レベルでの実績のある勝田、古山を中心に三浦学苑が上位進出予想されるだけでなく、各校能力のある選手が数多くいるため、混戦の可能性が高い。
女子学校対抗は、関東選抜大会で優勝したメンバーである岩木、桧山、島村を中心に、宮内や澁川など実績のある選手をそろえている横浜隼人が本命となるだろう。しかし、他校にも十分にチャンスはある。ムンフバヤル、小野、藤間を中心とした横浜商業の戦力は充実している。また、大塚、中川など安定した実力を発揮する立花学園、森本、鈴木が柱となる横浜創英には新入生の戦力にも期待したい。
個人戦では、横浜隼人の選手が上位に入ると予想されるが、各校実力者が多数いるため、混戦になる可能性は十分に考えられる。
男女ともに目が離せない大会になることには間違いなく、高校生らしい熱戦が期待される。
ソフトボール
上野 剛一(県茅ケ崎)
競技人口の激減をどう止めればいいのか。答えにたどり着けないことを重々承知しながら、日々問答している。わが県だけの問題ではないが、競技レベルの低下とどうしても比例していくようで心が痛い。しかし、生徒の一生懸命なひたむきさには頭が下がる。生徒をみていると、部員数や参加校数などの問題は大人の問題なのだと認識してしまう。
女子の戦いから見ていこう。秋は厚木王子(厚木商業と厚木東が統合)が圧倒的な強さを見せつけた。全国選抜大会でもかなりの活躍が期待できるチームに他チームがどれだけ肉薄できるか。1番手は秋5位と奮わなかった光明相模原である。打撃ならば厚木王子を凌駕するだけに、ディフェンスの成長がカギとなる。対抗馬は秋準優勝の横浜清風か。安定した守備力は関東でも上位であろう。それを追って荏田・白鵬女子・茅ケ崎・高津が続く。また、秋は実力を発揮できなかった湘南学院・向上も巻き返しは必至だ。年々増加する合同チームもいままでにはない結束力を見せ始め、練習方法などにも工夫がみられる。
男子はここ数年、王者光明相模原の強さは横綱級である。秋の戦い方をみても他を寄せつけないワンサイドゲームであった。秋準優勝の横須賀学院をはじめ、3位の青山学院横浜英和・横浜隼人その他も厳しい冬を乗り越えて、この春どれだけ迫ることができるか。男女とも、お互いに切磋琢磨して、ソフトボール大国「神奈川」の意地をみせてほしい。
剣道
中野 正隆(県麻溝台)
【男子】
冬の選抜予選で優勝した桐蔭学園が7年ぶりの代表権を狙う。気迫溢れる豪快かつ堅実な試合運びでインターハイ制覇に意欲を燃やしている。秋の新人戦を制し、選抜予選2位の東海大相模も力強さとスピード感溢れる攻めの剣道で2年ぶりの県総体優勝を目指す。選抜予選で惜しくも代表権を逃した慶應義塾にも注目。選抜予選をノーシードからベスト4まで勝ち上がった日本大学と新人戦2位の桐光学園も有力校。昨年優勝の横浜は勢いを取り戻して2年連続の出場権を得られるか。この他ベスト8入り横浜隼人、県立大船、県立荏田も実力伯仲。熱戦が期待される。
【女子】
冬の全国選抜県予選を制した桐蔭学園が優勝候補筆頭。あふれる気迫と安定した試合運びで4年連続の出場権を狙う。秋の新人戦で優勝し選抜予選2位の東海大相模も有力。勢いのある溌溂とした戦いぶりで5年ぶりのインターハイ出場を目指す。選抜予選3位の横浜と湘南学院も初出場を狙う。近年力をつけてきた光明学園相模原にも注目。希望ケ丘、相模原弥栄、大船の県立学校勢も試合の流れを掴むことでトップを狙えるか。この他ベスト8入りの横浜隼人、日本大学も注目校に挙げられる。
個人戦は男女とも各校のエースが出場し、熱い戦いが繰り広げられるだろう。
柔道
鏑木 文隆(慶應義塾)
2023年度全国高校柔道選手権・神奈川県予選(2024年1月開催)の結果を参考に占ってみたい。
【男子】
団体戦は、選手層の厚い東海大相模高校の実力が抜きん出ている。続くのが選手権2位の立花学園と3位の桐蔭学園である。両校がどこまで東海大相模高校に肉薄出来るかを注目したい。
個人戦は、73㎏級東海大相模高校以外で3月の全国高校選手権個人戦の代表となった野中選手(桐蔭)を中心に優勝争いが展開されるであろう。他階級では、1月の優勝者の60・66㎏級大柿選手兄弟(東海大相模)・実力者揃いの81㎏級・昨年全国高校総体2位の90㎏級ナコステイン選手(東海大相模)・全国高校選手権無差別級代表の100㎏級竹内選手(東海大相模)らを中心に熾烈な代表争いになるであろう。
【女子】
団体戦は、昨年同様に桐蔭学園と横須賀学院の争いになるであろう。1月の大会での決勝戦では、紙一重で桐蔭学園が栄冠を勝ち取ったが、実力差がなく、勝者を予測することは難しい。
個人戦は、1月に優勝した48㎏級山本選手(三浦学苑)・52㎏級で圧倒的な強さを見せた小嶋選手・57㎏級近藤選手(桐蔭学園)・同門対決の接戦を勝ち抜いた63㎏級織茂選手(桐蔭学園)・無差別級森野選手(桐蔭学園)らを中心に優勝争いが展開される。重量級では、初出場となる学校の出現にも期待したい。
登山
久保村 知彦(県伊志田)
令和3年度より県高校総体では、登山競技に加えてスポーツクライミングのボルダリング、スピード、リードの3つの競技を行っている。
スポーツクライミングは近年競技人口も増えており、将来インターハイ種目になることを見据え実施する。全国選抜スポーツクライミング大会では、本県の選手は毎年上位に入る活躍をしており、高いレベルの戦いが期待できる。
登山競技は、全国高等学校登山大会予選と関東高等学校登山大会予選会を兼ねて、5月中旬から下旬に3日間の日程で実施する。
1日目は幕営審査、装備審査、マナー審査などを行う。
2日目の登山行動では指定されたコースを制限時間内に歩き通すことが予選通過の最低条件となる。ここでは、歩行審査、体力審査、装備審査、山行記録審査がある。さらに、翌週には会場校にて天気図試験、課題試験(気象、救急法、読図)を課し、登山で必要となる知識を問う。
これらの結果を総計して、全国大会(男女各1校)、関東大会(男女計16校)の出場校を決定する。各校は早い段階から周到な準備、トレーニングを積んで大会に臨んでおり、わずかなミスが勝負の分かれ道となる。登山専門部では、安全登山を最優先に掲げ、総合体育大会の内容を検討し大会を実施してきた。ここで得た知識・技術を普段の山行や合宿にフィードバックし、より安全な登山につなげてほしい。
今年度の全国大会は福岡県の英彦山山系で開催される。神奈川の代表校は入念な準備と体力トレーニングを積み好成績を収めており、今後の活躍が期待できる。関東大会は、10月に神奈川県箱根で開催する。関東の山岳部の高校生に箱根の秋の山々を満喫してもらいたい。
弓道
老沼 晴彦(県大船)
男子団体でまず注目すべきは全国弓道選抜大会で5位入賞し、技能優秀校にも輝いた慶應義塾高校である。続いては秋の新人戦および全国選抜予選で両大会とも上位3校に入賞している川和高校と慶應湘南藤沢高等部である。新人戦で優勝している横浜平沼にも期待したい。
男子個人では全国弓道選抜大会団体で入賞を経験している増田・竹内(慶應義塾)、また同大会で個人決勝まで進んだ森山(慶應湘南藤沢)、同校の吉田、続いて、茂木・薮下(小田原)、永井(秦野)、小坂(川和)、中野(横浜平沼)、山田(厚木東)が挙げられる。
女子団体の筆頭は新人戦、全国選抜予選の2大会で優勝し、全国の大舞台を経験している相洋高校である。他にも秋の県予選はすべて入賞をしている厚木・厚木東・慶應湘南藤沢の今後の成長にも大きな期待を寄せている。
女子個人で活躍した選手は関東弓道個人選手権選抜大会で入賞した大森・今津(慶應湘南藤沢)、同大会で決勝進出の門松(相洋)がいる。他にも佐々木(横浜平沼)、松下・鈴木(厚木)、沼倉(厚木東)といった実力者たちにも注目していきたい。
令和6年度からは神奈川県高等学校総合体育大会の直前に、同じく5人制の大会が開催される。この変更点を上手に活用し、選手の実力をいかに引き出せるかが勝敗の大きな分かれ目となるだろう。
テニス
早乙女 大道(市東)
団体の部男子は、前年度新人大会で優勝し、関東選抜大会で準優勝の法政大学第二を中心に、新人大会準優勝、関東選抜大会優勝の湘南工大附属、さらに慶應義塾、橘学苑が続く。他にも横須賀学院、東海大相模、慶應湘南、サレジオなど上位進出を狙えるチームが多数あり、男子は参加校数、実力とも全国有数の激戦地区である。
団体の部女子は、新人大会優勝で5連覇を果たした白鵬女子を中心に、新人大会準優勝、関東選抜大会3位の法政大学第二や横須賀学院、東海大相模に加え、橘学苑、神大附属や公立高校の横浜平沼、相模原中等の健闘も期待したいところである。
個人の部男子は、前年度新人大会優勝の上田頼(橘学苑3年)、準優勝の稲木友望(橘学苑3年)、ベスト4の杉本一樹(湘南工大3年)、吉田琳(法政二3年)らが中心となると予想されるが、新人大会では結果を残せなかった有力選手も県内には多数おり、ハイレベルの激戦が予想される。
個人の部女子は、新人大会優勝の野口紗枝(法政二3年)、準優勝の山本未空(東海相模3年)、ベスト4の塩津愛(法政二2年)、熊谷帆夏(橘学苑2年)に加え、団体戦上位進出校の選手の活躍が楽しみである。
各選手とも力が接近しており、県内大会が選手のレベルアップにつながることで、激戦区の神奈川県を勝ち抜いたチームや選手が、関東・全国の大会で大活躍することを期待したい。
ローイング
島﨑 哲也(慶應義塾)
昨年8月の新人戦では、男子種目において慶應が男子4×+、市横商がそれ以外の種目で優勝しました。女子種目においては、市横商が女子1×、2×、4×+の全種目で優勝していることになります。
また11月に相模湖漕艇場でおこなわれた関東選抜大会では、慶應の男子4×+が優勝を果たし、市横商も男子2×が3位入賞という形でそれぞれ全国選抜大会への切符を手にしました。そのため、結果的に男子2種目において、神奈川県勢が全国選抜大会の出場権を獲得することとなりました。昨年度に比べると、参加種目数は少なくなりましたが、その分精鋭が揃っていると言い換えることができるかもしれません。
県の状況としては、参加校数・人数は例年と大きく変わらず横ばいながら、学校間あるいは学校内で切磋琢磨することによって、関東大会・全国大会において神奈川県勢がさらなる活躍をする原動力が生まれてくるものと、引き続き確信しております。全国選抜大会に向けた冬期期間の練習が、新年度の競技成績にもつながっていくのはもちろんのこと、全国選抜大会への出場権を得られなかったクルーの奮起も期待できますので、来年度も引き続き男女ともに白熱した展開になるものと予想されます。
ボクシング
須貝 聡(市東)
今年のボクシング競技の展望は、昨年同様激戦が必至である。直近の関東選抜大会では男子8階級のうち3階級で優勝、1階級で準優勝し全国選抜大会の切符を手にした。また、全国には繋がらないが各都県準優勝者のBパートにおいても、8階級のうち3階級が優勝であった。関東で結果を残せる選手が多く残っていることから、階級にもよるが、誰が優勝してもおかしくないのが現状である。
ピン級では、昨年全国総体で3位になった武相高校・吉井選手が優勢ではあるが、直近の新人大会決勝において僅差で負けた横浜総合高校・大澤選手にもチャンスがある。
ライトフライ級では全国総体ベスト8の武相高校・村松選手が優勢であるが、やはり新人大会決勝において僅差で負けた寒川高校・柏木選手が迫る。
フライ級では武相高校・高橋選手と横浜総合高校・大内選手の争いとなる。
バンタム級は浅野高校・栁沼選手が新人戦で優勝しているが、昨年度から活躍している横浜総合高校・山下選手からも目が離せない。
ライト級は武相高校・新井選手と浅野高校・北川選手の争いとなる。
ライトウェルター級は全国総体3位の武相高校・大胡選手の独壇場である。
ウェルター級は、関東選抜で圧倒的な勝利を収めた浅野高校・岡部選手と同じく浅野高校の神垣選手の争いとなる。
ミドル級は東海大相模・渋谷選手が抜けている。
以上が注目選手であるが、その他にも有望な選手が多くいる。選手同士が刺激を受け合い、切磋琢磨し、神奈川県全体のレベルアップが計られることに期待したい。
レスリング
和田 宗法(向上)
第62回神奈川県高等学校総合体育大会レスリング競技の展望は、団体戦・個人戦(男女各階級)の中で期待できる学校・選手は以下の通りである。
学校対抗戦の優勝候補は令和5年度新人戦大会団体優勝をした攻守に安定感がある日本大学藤沢高等学校と、中量級の選手層が厚い磯子工業高等学校である。両校ともに昨年度全国大会で活躍した選手が多く在籍しており優勝を狙える力は十分あり混戦間違え無し、お互い手の内を知り尽くした選手たちの接戦が展開される。
ここに団体戦優勝経験がある横浜修悠館が2校の戦いに割って入れるか、チームバランスも良く選手層は県内で一番充実しており、伝統の粘り強い試合運びは健在で侮れない。
個人戦においては、各校に関東大会を経験した選手が例年以上に在籍しており2連覇等の活躍が期待できる選手は4名いる。佐々木大貴(横浜修悠館)と太田譲(日本大学藤沢)は、通年を通し各大会で安定した成績を残し2年連続優勝実現へ余念がない。
特に注目する選手は、2023年は怪我のため欠場していた2022年U17アジア選手権3位の実績を持つ瀧澤勇仁(慶應義塾)が今年度から復帰、満を持しての出場となる今大会で再び優勝戦線へ浮上できるか初戦から目が離せない。
そして2023年度県内大会全て無失点優勝、関東大会優勝、国体準優勝、U17世界選手権出場、アジアユース大会優勝と国際舞台でも実力を磨いた岡﨑ナツラ(慶應義塾)は今年度もつけいる隙を与えず圧倒的な力で目を見張る勝ちっぷりが期待できる。
ホッケー
末木 孝典(慶應義塾)
ホッケーの県総体は、例年GWの初日と最終日に行われ、2校のホーム&アウェー形式の試合が展開される。
慶應義塾は、現在3年連続で県総体に勝利している。昨年は14年ぶりに全国高校総体ベスト8になった。新チームは主将DF中出とDF磯村が守備の柱となって試合を組み立て、FW藤野、MF粕谷が高い技術力を生かしてゴールを狙う。チームとしてボール回しと走力向上に力を入れ、今年度は県総体優勝、全国高校総体ベスト8を目指している。
法政二高はこの間、様々なチームとの練習試合を数多く実施し、成果と課題をチーム全員で共有し着実に力をつけてきている。キャプテンの鳥山を中心に自分たちで考えることを意識してチーム作りを行ってきた。粘り強いディフェンスを全員で行い、荒削りながら勢いのあるオフェンスで全国大会出場を目指す。
ヨット
吉田 真浩 (逗子開成)
県総体ヨット競技はレーザーラジアル級、420級、コンバインドの3種目で行われる。レーザーラジアル級は1人乗り、420級は2人乗り、コンバインド級は学校ごとの成績によって順位が決まる団体種目である。
男子レーザーラジアル級は各選手の実力が拮抗しているため、上位の予想は難しいがそれぞれのセーリング技術は高いため、ハイレベルなレースになるであろう。一方で女子レーザーラジアル級は前年度インターハイを制した服部選手(山手学院)が最有力となる。県総体でも全国レベルのセーリングを見せてほしい。
男子420級は昨年度インターハイ8位の慶応義塾高校に大きな期待がかかる。エース選手を中心に技術向上に努め、今年度は県総体優勝、そして関東大会とインターハイでのメダルを狙う。ライバルの逗子開成高校は同大会で中位に甘んじたが、今後の巻き返しに期待がかかる。活発な部内競争で切磋琢磨しながら練習を積んだことで慶応に劣らない実力が備わってきている。
女子420級は今までエントリーがなく、24年度も見込めない。今後、参加艇が増加することを願っている。
コンバインドの有力校は慶応義塾と逗子開成である。各校420級、レーザーラジアル級のいずれか上位2艇の合計得点で競うため、複数艇をエントリーしている上記2校がリードすることになる。
県総体に出場した選手は6月に開催される関東大会へ出場する資格を得る。
フェンシング
下川 禎(法政二)
【男子】
団体戦(フルーレ)に関しては、慶応高校を中心に、法政二高、慶応、湘南藤沢の3校での混戦が予想される。フルーレ個人戦については千葉(慶応)を中心に戸島(法政二高)、坂口(横浜商大)、また慶応湘南藤沢勢が絡む中で出場枠2名を争うことが予想される。
エペ個人については戸島(法政二高)が全体から頭一つリードしている観があり、残りの1枠を他の選手で争うことになると考える。
サーブル個人は河野(慶応)、切手(慶応)、伊藤(法政二高)の3人がリードしており、実質的には上記3人の争いになると考える。
【女子】
団体戦(フルーレ)に関しては法政二高が頭一つリードしており、湘南高校と慶応湘南藤沢がそれに続く。
フルーレ個人に関しては杉江(横浜商大)を中心に、田村(法政二高)、室根(法政二高)、小林(法政二高)、白瀬(湘南高校)が優勝争いに絡んでくることが予想される。
エペ個人に関しては、田村(法政二高)が突出しており、残りの1枠を慶応湘南藤沢勢と湘南勢で争うことが予想される。
サーブル個人に関しては後藤(法政二高)、鈴木(法政二高)が実力的に抜ける中で、湘南高校、慶応湘南藤沢が追随する状況である。
ウエイトリフティング
島袋 匡継(日大藤沢)
今年度は、日大藤沢が競技力とともに部員数でも他校を圧倒する事が予想される。12月の新人大会参加数でも日大藤沢は、男子11人もの選手が出場した。慶応義塾は、10名出場し過去最多人数でのエントリーであった。
昨年度の全国総合体育大会では、日大藤沢が団体優勝2連覇を達成した。今年は全国総合体育大会の連覇記録である3連覇に挑戦する。81kg級都元は、関東選抜大会でも準優勝を果たしており、55kg級若林、61kg級松尾、73㎏級山﨑、81kg級都元、+102kg級最上など全国上位を狙える逸材揃いである。
これに対抗するのが法政二、大船、海洋科学と慶應義塾である。法政二は選手男子3名であるが、特に61kg級古賀新之佑は階級を上げて関東選抜大会に挑戦し、優勝と輝かしい成績を残した。全国でも優勝が期待できる選手である。
関東選抜大会で、1年生ながら出場を果たした73㎏級鈴木は、惜しくも4位であったが、全国大会の基準記録を突破している優れた選手である。今後の全国大会で上位入賞が期待される。大船、海洋科学、慶應義塾も関東選抜大会では、活躍をしており、コンスタントに良い選手を輩出している。学校対抗では3位以内に入る可能性がある。
スケート
菊地 拓海(武相)
スケート競技はスピードスケート(ショートトラックはインターハイ種目には無い)・フィギュアスケート・アイスホッケーの3部門からなる。
スピードスケートでは、高木省吾君(生田東1年)がエントリーし、本県からのインターハイに出場した。ショートトラックが本職であるため順位は振るわなかったが、来年度以降の出場も期待したい。
フィギュアスケートは女子6名がインターハイに出場した。1年生ながら決勝進出を果たし、県内最高順位である14位に入った永田桂都さん(橘学苑1年)を軸に6年度全国大会出場権が争われると予想される。男子では、インターハイ出場資格を満たした選手(6級以上)が出てくることをまずは期待したい。
アイスホッケーは、武相と慶應義塾の2校が活動している。令和5年度のインターハイ(25校出場)では、武相は2回戦、慶應義塾は1回戦で敗れ、目標であったベスト8に入ることはできなかった。総体県予選では、武相と慶應義塾が競った試合を行い、お互い切磋琢磨しながら向上に励んでいる。武相の研ぎ澄まされた攻撃力と慶應義塾の強く鍛えられた守備力のぶつかり合いが見どころである。令和6年度のインターハイは、2校ともベスト8を目指して欲しい。
神奈川県内のスケートの練習環境は、必ずしも恵まれた状況にあるとは言えない。少ない練習場所と短い練習時間という制約がありながらも、選手諸君は練習方法等を工夫することで冬季種目の強い地域の選手に追いつき追い越そうと取り組んでいる。この姿勢が必ず結果に結びつくことを今後も期待している。
スキー
吉野 隆(慶應義塾)
アルペン種目・男子は、昨年の県総体で上位を占めた松原健(桐蔭中教3年)、橘悠真(関東六浦3年)の2名を軸とした展開が予想される。また、昨年あと一歩のところで全国大会出場を逃した小山暖(横須賀学院2年)が彼らにどう迫るかにも注目したい。さらに県内の国スポ選考会で彼らと凌ぎを削ってきた新入生、山口礼夢、前田航ら1年生からも目が離せない。
女子では、昨年の県総体で優勝争いを展開した、宇井みのり(法政二3年)、林田優希(横浜雙葉3年)、田中麗奈(日女大附3年)が最終学年をむかえ、三つ巴の優勝争いに期待したい。さらには仁木櫻子(法政二2年)、瀬戸山実咲(相模女子2年)、山岸千紗(捜真女学校2年)、福井利菜(カリタス2年)、林いのり(慶應藤沢2年)ら全国大会に出場した2年生の成長にも期待が高まり、8人での熾烈な上位争いが予想される。
昨年6年ぶりに開催できたクロスカントリーは、県総体を1人で走り切って関東・全国大会に出場した三瀬敦希(桐光学園3年)の県総体出場は微妙だが、昨シーズン途中から競技を始めた三井輝(慶應義塾2年)が出場することは確実で、2年続けて実施できる見込みである。三瀬は昨年の関東大会で、競技を始めて半年程度ながら関東各都県の選手と互角に戦い県勢の潜在能力を示しており、ともに練習している三井の走りにも期待がかかる。
アーチェリー
茂田 佳裕(星槎湘南)
男子は横須賀総合、星機、東海大相模の3校の上位争い。どのチームも今年度は2学年が中心であった。今年は3学年に全員がなる。横須賀総合には浦田(2年)が国体選手。今も力をめきめきとつけている。そのほかにも国体強化選手も多く在籍し浦田を中心としたチーム力で高校総体2年連続団体出場を目指す。
星槎には池田(2年)、武内(2年)が所属し、両名とも国体選手。そして武内は今年の総体で個人6位入賞。2人が後輩たちをどれだけけん引できるかが勝負を左右する。
東海大相模は突出した選手こそいないものの、安定感がある。3名が安定し試合を進めることが出来れば、横須賀総合、星槎に割って入るカは十分にある。
女子は横浜高校、横須賀総合、東海大相模の戦い。横浜高校は女子創部間もないものの関東大会優勝や、高校総体出場等勢いがある。横須賀総合は2名の国体選手を中心に昨年の悔しさをばねに、男女アベック出場を目指す。東海大相模は男子同様、安定したシューティングが強み。昨年はその安定感で見事高校総体の切符を手にした。個人戦はさらに白熱した枠取りに。
団体出場校の選手が中心とはなるが、個人登録校も多数いる。個人登録枠の選手も実績十分であり、団体に出場できればチームの中心になれるほどの実力を全員が有している。男子は、武内、浦田が一歩リード、女子は林が突出している。この牙城を崩す選手が現れるかで、個人の出場枠は争われる。
今年はどこが切符を獲得するのかわからない面白い展開になりそうである。
自転車
武野 泰明(県麻溝台)
トラック競技は4月27日(土)、28日(日)に川崎競輪場で実施予定です。個人種目7種目、団体種目2種目が行われます。
まず個人種目ですが、2023年度3km個人パーシュート全国優勝者の三浦選手(湘南工科・3年)がナショナル合宿参加のため、県大会には不参加となりました。そのため3km個人パーシュートは松木選手(県保土ケ谷・3年)と深澤選手(県麻溝台・2年)の2人による優勝争いとなるでしょう。
ポイントレースとスクラッチでは新人戦優勝者の宮崎選手(県保土ケ谷・3年)が最有力です。4km速度競争では滝口選手(県保土ケ谷・2年)が注目です。高校から競技を始めた選手ですがこの1年間で競技能力を大幅に向上させています。短距離種目のスプリントでは畠山選手(法政二・3年)が最有力です。ゴール前のスプリント力は全国レベルであり、県内では抜きん出た力を持っています。
その他ケイリン、スクラッチ等の種目は各選手の実力が拮抗していることもあり、だれが勝ってもおかしくない混戦模様が予想されます。
団体種目では、昨年優勝の湘南工科大付属高と2年生の躍進目覚ましい保土ケ谷高校との実力が拮抗していると思われます。細かな技術や作戦が勝敗を分けることになるでしょう。
ロードレースは5月12日(日)に日本CSCで実施予定です。保土ケ谷高校の主力4名(宮崎選手、松木選手、滝口選手、川野選手)がレースをコントロールし、それに中西選手(旭丘・3年)や深澤選手(県麻溝台・2年)といったその他の有力選手が挑むという展開が予想されます。
空手道
大谷 英弘(県深沢)
男子団体組手では、昨年まで17回連続優勝を果たしていた横浜創学館が決勝で敗れる波乱が起きた。創学館を破った光明相模原も今大会は1年生中心のメンバー構成を余儀なくされ、一方で昨秋の新人戦で準優勝した相洋、同じく三位の横須賀学院、3人制カテゴリーで南関東優勝の県立横浜修悠館横須賀など、これまでの創学・光明二強状態から、各校による混戦が期待される。
女子団体組手は、例年同様創学館と光明の二強状態だが、ここ数年個人レベルでは相洋や横須賀学院、山手学院、県立横浜立野などに実力のある選手が出てきており、今年は流れ次第で大きな波乱を期待できる予感がする。
個人競技では、昨秋の男子組手は全階級を創学館の選手が制覇した。関東選抜-66kg級優勝の今井、+76kg級で全国選抜出場を果たした森を始めとし、三宅、小野など創学館中心の展開が予想される。ただ、新人戦の各階級上位進出者には、相洋の石原、渡邊、越地、修悠館の藤原、など実力者が揃っており、彼らがどこまで食らいつけるか注目したい。形は創学館の石川を中心に展開されると予想されるが、創学館の小瀧や宮下、慶應の物井など、他の選手の追い上げに期待したい。
女子の個人組手は、新人戦の各階級王者である光明の杉田、長谷部、創学館の直江、出嶋、横坂を中心に展開されると考える。新人戦では、各階級で相洋や山手、横須賀学院の選手も上位に入賞していたことから、各校の活躍を期待したい。形は、横須賀学院の樋口、創学館の平島、の2人の優勝争いに対して、創学館の出嶋や織戸、横浜隼人の栗城、法政の中澤や遠藤などがどこまで挑めるか、注目したい。
アメリカンフットボール
良田 直優(県鎌倉)
アメリカンフットボール競技の県高校総体は秋季の開催であり、年末に開催される全国高等学校アメリカンフットボール選手権(以下、全国大会)の決勝戦であるクリスマスボウルの出場に向けた予選会を兼ねる大会です。
トーナメント戦で開催される秋季の総体を展望するうえで、シード権を獲得できる春季の関東大会県予選大会(以下、春季大会)は重要な大会となります。今年度の春季大会は、第一シードに慶応義塾、鎌倉学園、第二シードに県立鎌倉、法政大学第二が並びシード校を筆頭に激戦が期待されるとともに、一戦一戦が見逃せない展開になり各会場では熾烈な争いが予想されます。
秋季の総体において注目は、法政大学第二です。法政大学第二は多彩なオフェンスプレイとスクリメージラインを制圧するディフェンスが強みのチームです。昨年度の全国大会では、全国ベスト8の千葉県の千葉日大に敗れはしたもの白熱した試合展開で接戦を繰り広げました。
今年度それに対抗すると予想されるのが鎌倉学園です。鎌倉学園は接点の強さが魅力のチームでアメリカンフットボールの根幹であるヒットとタックルで相手チームを凌駕する非常に楽しみなチームです。これに追随するのが県立鎌倉、慶應義塾です。各チームに豊富な戦術戦略と特長のあるプレイを備えていて大会での活躍が期待されます。
ライフル射撃
高木 隆(英理女子)
ライフル射撃は昨年からビームピストルも全国大会で実施される事となった。また、県外の各種試合で開会式や閉会式が行われるようになり、少しずつ本来の試合の形に戻ってきた。
エアライフル男子の選手はギャンビル(星槎)と、新たに大庭(海老名)が加わった。大庭の活躍にも期待したい。エアライフル女子の選手がいる学校は、現時点で英理女子学院高校のみである。
その中での一番の有望選手は田中(英理女子)である。昨年の県新人大会で準優勝を果たし、関東選抜大会で4位入賞を果たし、全国選抜大会に駒を進める。近藤(英理女子)も着実に力をつけ、昨年の県新人大会で優勝し、関東選抜大会でも7位入賞を果たした。未だにエアライフルの所持許可をもらうまでに複雑な手続きが必要となっているが、エアライフルの競技人口が増えることで、より良い試合になることは間違いのない事である。
ビームライフル男子は、昨年の県新人大会で準優勝を果たし、関東選抜大会に出場した福嶋(海老名)が最有力選手である。その他、寺脇(海老名)、長島(伊勢原)も力を伸ばしている。団体は海老名と伊勢原の一騎打ちが予想されるが、現時点では海老名が優勢の状況である。女子では吉野(英理女子)が一番の有望選手である。一年生ながら驚異的な成長を見せ、昨年の県新人大会で準優勝し、関東選抜大会でも準優勝を果たし、全国選抜大会へ出場する。このため、団体も英理女子の活躍が見られることが予測される。
ダンス
脇 千登勢(県座間)
ダンス競技は、6月15日(土)に県立青少年センターに於いて開催される。総合体育大会は、オリジナル作品の総合力を競う大会であるため、ダンス技法に加えテーマ性・構成力・音楽・衣装のすべてにバランスが取れた作品を要求している。
今年度の上位入賞候補は、昨年度の全国コンクールで特別賞を受賞した県立大和、総合体育大会県予選大会で13年ぶりに優勝し、全国コンクールで入選を果たした県立座間、前年度総合体育大会県予3位の鵠沼、4位の横浜創英である。これらの学校は作品のテーマとなるコンセプトがダンスの振付や構成に垣間見えるとともに高い技術で審査員を魅了し、得点を伸ばした。前年度入賞の相模女子大高、横浜富士見丘学園は創作ダンス特有のテクニックとテーマ性の追求が強みの作品を創り上げている。初めて上位5位に入賞した県立座間総合も個性溢れるテーマと表現で観客を魅了しており、注目されている。8位入賞の県立住吉はストリートダンスを用いたスピード感のある振付や大人数による一糸乱れぬ群舞で存在感を放っている。
上位入賞は、「テクニックの追及に終わらず、テーマ性や構成の工夫に目を向け、チーム独自のカラーを出すこと」である。各校の個性が光る、完成度の高い作品が、県立青少年センターの舞台でしのぎを削る様子を期待している。
少林寺拳法
本間 慎太郎(桐蔭学園)
【男子】
・組演武
新人戦で自由組演武を制した桐蔭学園の石谷・吉田組を中心に、座間の小松・辻端組、桐蔭学園の渡辺・浦野組が追う。
・単独演武
有馬高校の村田がリードしている。横浜修悠館の岩田、海老名の三浦、桐蔭学園の小林、桐蔭学園中等の金子も力をつけており、後を追う。
・団体
新人戦を制した桐蔭学園が戦力ともに充実しており、優勝候補筆頭である。対抗として、座間と聖光学院が追う展開。
【女子】
・組演武
新人戦を制した桐蔭学園中等の武井・永田組がリードしている。座間の大橋・小川組が追う展開。
・単独演武
インターハイファイナリストの桐蔭学園中等の松尾、少林寺拳法世界大会ファイナリストの日大藤沢の荻野が群を抜いている。この二人の争いは全国トップレベルの争いでもあり、注目である。
・団体
新人戦を制した小田原と戦力が重質している座間の争い。そこに、全中出場者を新戦力として加えた桐蔭学園中等がどのように立ち向かうか、混戦模様となっている。
カヌー
今泉 隆(県横浜修悠館横須賀)
令和5年度は、概ねコロナ前と同様の大会が実施され、各校の代表選手たちは、インターハイや国民体育大会等にも出場することができた。
カヌースプリント男子K-1(カヤックシングル)は、原口獅心(県横浜修悠館横須賀)、内田樹(県横浜修悠館横須賀)が期待される。また、大寺博貴(県横浜修悠館横須賀)、四之宮豪毅(県横浜修悠館横須賀)が力をつけてきており、今後の成長が楽しみである。
K-2(カヤックペア)は、原口・内田(県横浜修悠館横須賀)が有力であるが、他選手の県横浜修悠館横須賀のペアがどこまで迫れるかが注目である。
C-1(カナディアンシングル)は、遠藤涼平(県横浜修悠館横須賀)、榎田結輝人(県横浜修悠館横須賀)が有力である。また、杉浦大和(県横浜修悠館横須賀)も成長してきており、今後の伸びが期待される。
C-2(カナディアンペア)は、遠藤・榎田(県横浜修悠館横須賀)が有力である。これを、杉浦・石澤徹也(県横浜修悠館横須賀)のペアが追う形が予想される。
女子選手は令和5年度の新人大会から登録が無く、カヌースラロームも山北高校1校の登録で、競技選手も数名しかいない状況である。令和6年度も、競技力の向上とともに、スプリント女子、カヌーポロ、カヌースラロームといった競技の普及に努力したい。
なぎなた
土屋 昌伸(湘南学院)
団体試合に出場できるのは部活動として活動している神奈川大学附属、鎌倉女子大学高等部、湘南学院の三校に限られている。今年度はこの三校に加えて、個人試合に出場できる県内の選手がひとりでも多く県総体にエントリーしてくれることを切望する。
団体試合は、関東大会予選、県総体、新人大会の全てで連続優勝が続き、関東大会でも見事に優勝を果たした神奈川大学附属が今大会も優勝候補に間違いない。これに続くのが鎌倉女子大学高等部である。湘南学院は部員不足でここ数年、関東大会予選、県総体に出場できていない。新人大会には出場できているので、今大会では何としてもエントリーし、かつては繰り広げられた三校の熱い三つ巴の戦いが再び展開されることを願ってやまない。
個人試合は、関東大会予選7位、県総体4位、新人大会優勝、国体出場の伊藤遥(神大附)が最も有力か。そして、関東大会予選4位、新人大会3位、国体出場の前田七海(神大附)。県総体3位、新人大会2位の坂本絢(神大附) の両名は伊藤に迫る勢いである。この三名の実力は拮抗しており、誰が優勝するか目が離せない。
演技は、大会によって組み合わせが変わって出場することも多く、今大会ではどのような組み合わせでエントリーしてくるだろうか。実績からみると、神大附属勢の上位入賞が予想される。前田七海・伊藤遥チームは関東大会予選4位、県総体3位と活躍してきたが、新人大会では組み合わせを変え、伊藤は瀧澤心暖と組んで優勝し、前田は鈴木友梨香と組んで3位という結果を残している。別の組み合わせで、県総体で4位だった鈴木南奈花と関東大会予選で6位だった坂本絢は新人大会ではチームを組み、2位という成績を収めており、注目が集まる。鎌倉女子大学高等部からは、新人大会で松永彩花・森下璃子チームが4位に入っており、今大会で楽しみな存在である。
ボウリング
平木 明史(県横須賀工)
ボウリング競技の高校総体は、全国に専門部がない都道府県があり、夏季には開催されず、12月に(財)全日本ボウリング協会主催の文部科学大臣杯 全国高等学校対抗ボウリング選手権大会への予選を兼ねて行われています。
この大会は、学校対抗になっており2人チーム戦の団体戦で過去には、男子では、新名学園旭丘高等学校、県立横須賀工業高等学校 女子では、県立横浜南陵高等学校、県立綾瀬西高等学校が全国優勝している。昨年は、女子で県立綾瀬西高等学校が2年ぶり2度目の優勝、県立大和東高等学校がベスト4に輝いている。今年度は、3名のナショナルユースに所属している県立大和東高等学校 高田 網代 濱﨑が、最有力候補である。
県予選は、男子では新人戦で上位に入っている平塚工科高等学校の酒井兄弟(2、3年生)ペア、旭丘高等学校 川合、県立横浜南陵高等学校古矢があげられる。女子では、全国優勝を目指している県立大和東高等学校が筆頭にあげられる。続いて、旭丘高等学校 髙橋、県立横浜南陵高等学校 松田 小針、と実力は均衡している。また、1人で大会にエントリーしている実力者の学校でもチームを組めるようになった場合は、よりいっそうの混戦が予想される。
高校総体県予選が11月に開催するため、新入生の実力も未知数であり今後の国体県予選や関東大会県予選など、公式戦の結果が楽しみである。
チアリーディング
品田 花栄(県横浜国際)
令和5年度の県総体は15校28チーム、総勢346名の選手が参加し、日本大学高等学校で開催しました。学校開催ということで、無観客での実施でしたが、新型コロナウイルス感染症のまん延でしばらく休止していた、チアリーディングならではの他チームへの声援の送り合いや選手同士の観戦を再開し、会場内はマット上の選手の掛け声に加え、会場で見学している参加校の選手の声援で大いに盛り上がりました。
チアリーディング部門では安定した技能と完成度の高い演技、また選手層の厚さを武器に法政二高が初の総合優勝をおさめました。チアダンスエキシビションにおいては、各校個性を発揮し、技術力、動きのまとまりなどの観点からみて、高いレベルの演技を披露してくれました。令和6年度大会では、チアリーディングのさらなる競技力向上に期待が高まります。高難度のパートナースタンツやピラミッド、シンクロしたジャンプやタンブリング、力強いダンスやアームモーション、また、創意工夫を凝らした演技構成に期待したいと思います。
昨年度総合優勝の法政二高、過去3回総合優勝の県立住吉、1月の全国高校生大会第11位の県立茅ヶ崎の演技の仕上がりに注目が集まります。また、チアダンスもレベルの高い発表が期待されます。
定時制通信制部
松本 博臣(市橘(定))
令和5年度の全国高等学校定時制通信制体育大会は、5月に新型コロナ感染症が五類に引き下げられたが、各種目においては感染予防対策を引き続き講じて各種目競技が行われました。コロナ世代と呼ばれながらも、短い時間と制約がある中、選手達が躍動する姿は素晴らしいものがありました。
さて令和6年度の県定通部としては、11種目で県大会が予定されております。昨年同様、感染予防対策をして安全かつ無事に大会が開催できるように、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるように準備にあたります。
全国大会は7月22日の卓球を皮切りに8月16日決勝の軟式野球まで11種目で熱戦が繰り広げられる予定です。
神奈川県勢としましては令和5年度大会で優勝を成し遂げた、バレーボール男子、バドミントン女子、自転車競技、柔道男子、剣道男子、個人ではテニス男子には連覇が期待されます。特に自転車競技では、学校対抗戦トラック3連覇、ロードレース8連覇、学校対抗総合6連覇を果たした神奈川総合産業の躍進や個人戦においても神奈川県勢は優秀な成績を収めております。
新入学生徒数が減少し、活動基盤さえ満足に整えられない。それでも神奈川県定通制の底力を発揮して今年度も以前と変わらぬ神奈川旋風を巻き起こしてもらいたい。是非とも定通部に温かいご声援をお願いいたします。
選手宣誓
令和6年度宣誓校:県立多摩高等学校
部活動応援・学校紹介動画
- 県立生田高等学校0:05
- 県立川崎北高等学校0:37
- 県立住吉高等学校1:02
- 県立多摩高等学校1:21
- 県立向の岡工業高等学校1:42
- 県立旭高等学校2:01
- 県立市ケ尾高等学校2:24
- 横浜隼人高等学校2:58
- 県立霧が丘高等学校3:20
- 県立港北高等学校3:44
- 県立商工高等学校4:33
- 聖光学院高等学校4:57
- 横浜学園高等学校5:17
- 横浜創学館高等学校5:40
- 横浜明朋高等学校6:41
- 湘南学院高等学校7:24
- 県立津久井浜高等学校7:53
- 三浦学苑高等学校8:16
- 県立三浦初声高等学校8:31
- 県立逗子葉山高等学校8:50
- 県立神奈川工業高等学校9:05
- アレセイア湘南高等学校0:05
- 県立大船高等学校0:17
- 県立藤沢工科高等学校0:42
- 藤沢翔陵高等学校1:05
- 県立藤沢総合高等学校1:27
- 県立大井高等学校1:47
- 県立西湘高等学校2:11
- 平塚学園高等学校2:37
- 県立厚木北高等学校3:01
- 県立厚木清南高等学校3:25
- 柏木学園高等学校3:49
- 県立上溝南高等学校4:13
- 光明学園相模原高等学校4:42
- 県立相模田名高等学校5:11
- 県立座間高等学校5:55
- 県立中央農業高等学校6:50
- 県立秦野高等学校7:20
- 日々輝学園高等学校神奈川7:42
- 県立大和南高等学校8:04
- 県立相模原弥栄高等学校8:29
全国総体・県総体について
全国高等学校総合体育大会について
神奈川県高等学校総合体育大会について
高体連マークと高体連歌
高体連マーク
- 全国高体連マークの由来
- 競技は力であり、進歩は技の錬磨にまつ、競技者はこれをつつむに明郎な精神をもってせねばならない。
高体連マークを構成している三つのKは紅色によって浮き出され若人の情熱を示すドイツ語の頭文字をとったものである。 -
- KARAFT力
- KUNST技
- KLARHEIT明郎な精神